三次方程式が重根を持つ条件

最高次数が 0 ではない実数係数の 3 次多項式 f(x) = a_3 x^3 + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 について, x = t - \dfrac{a_{2}}{3 a_3} を代入すると t に関する 3 次多項式の 2 次の項の係数は 0 となる.
よって, 改めて三次多項式 f(x) = x^3 - px + q を考える.

f(x) = 0 が重根を持つ条件を考える.

まずはじめに, この方程式の解は幾何学的には y = f(x)x 軸との交点を求め, その x 座標の値になる.
このとき y = f(x) のグラフが x 軸と多重接触をしているときに, その場所が方程式の重根となる.
つまり, f(x) の臨界点(停留点)が x 軸上にある条件を求めれば良い.

これは

    \[f(t)= f^\prime (t) = 0\]

という条件を満たすとき, x=t において y = f(x)x 軸と少なくとも 1 位の接触(2 点接触)をしていることを意味する.

このような x を求めるには,

    \[\left\{ \begin{array}{l@{ \; = \; }l}     f(x) & 0 \\     f^\prime (x) & 0 \end{array} \right.\]

という連立方程式を計算するか,

    \[\mathop{\textup{Res}}\nolimits (f, f^\prime) = 0\]

という終結式の値が 0 となる条件を求めれば良い.

以上より

    \[\left\{ \begin{array}{l@{ \; = \; }l@{ \; = \; 0}}     f(x) & x^3 - px + q \\     f^\prime (x) & 3x^2 - p \end{array} \right.\]

より

    \begin{align*}     \mathop{\textup{Res}}\nolimits (f, f^\prime)     &= \mathop{\textup{Res}}\nolimits (x^3 - px + q, 3x^2 - p) \\     &=     \begin{vmatrix}         1 & 0 & -p & q & 0 \\         0 & 1 & 0 & -p & q \\         3 & 0 & -p & 0 & 0 \\         0 & 3 & 0 & -p & 0 \\         0 & 0 & 3 & 0 & -p \\     \end{vmatrix} \\     &= -4 p^3 + 27 q^2 \end{align*}

より,

    \[\left(\frac{p}{3}\right)^3 = \left(\frac{q}{2}\right)^2\]

が重根を持つ条件となる.

ひだを打っている灰色の曲面が三次方程式

    \[x^3 - px + q = 0\]

(x, p, q) 空間に図示したものである.

このうち, 重解を持つ部分が青色の曲線であり, これを緑色の (p, q) 平面に射影した曲線が赤色の曲線となっている.

また, (p, q) を通り, x 軸と平行な直線によって灰色の曲面を何回貫いているかという回数が, この (p, q) を固定した時の方程式の根の個数となっている.

さらに, (p, q) = (0, 0) においては三重根になっていることが分かる.

この赤色の曲線は (2, 3)-カスプとよばれており, A_2 特異点が現れていることが分かる.